カトマンズ、2025年5月2日-ネパール政府は、世界最高峰エベレスト(8,848m)の登山許可取得に関し、登山者が事前にネパール国内の7,000m以上の山岳登頂経験を有することを義務付ける新規制を発表した。この政策は2025年登山シーズンより施行され、安全対策と過剰な登山者数の抑制を目的としている。
主な新規制内容
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登頂経験の義務化
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エベレスト登山前にバルンツェ(7,129m)、プモリ(7,161m)、ヒムルン・ヒマール(7,126m)などの7,000m峰登頂証明の提出が必須
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技術的難易度が高いアマ・ダブラム(6,812m)は例外として認定
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安全基準の強化
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政府指定医療機関発行の1ヶ月以内の健康診断書の提出義務
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許可証の譲渡禁止
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戦争・自然災害時の返金不可(代わりに2年間の許可延長または他山岳への振替可能)
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環境保護対策
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従来の返金可能なゴミ保証金(4,000米ドル)を非返金制の環境保護基金に変更
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遺体回収費用(2万~20万米ドル)をカバーする遺体管理保険の加入義務化
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罰則規定の厳格化
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ネパール人違反者:10年間の登山禁止+許可料相当の罰金
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外国人違反者:5年間の入国禁止+罰金
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背景と目的
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安全面:2023年に18名の死亡事故が発生し、経験不足による遭難が多発
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環境面:エベレストが「世界最高のゴミ捨て場」と批判される状況を改善
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経済面:許可料を11,000米ドルから15,000米ドルに値上げ(2025年9月施行)
業界の反応
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シェルパガイド:「経験のない登山者による事故が減り、我々の安全も向上する」(カミ・リタ・シェルパ/最多登頂記録保持者)
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旅行会社:「収入減が懸念されるが、長期的には健全な登山環境につながる」
今後の展開
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2025年春季シーズンまでに法案が最終承認される見込み
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登山者にはより長期の準備期間と追加費用(7,000m峰登頂)が必要に
ガーレトレックス&エクスペディションは、新規制に完全準拠した安全なエベレスト登山プログラムを提供しています。